会長挨拶

会長所信表明

会長 中 知哉

2023年5月8日新型コロナウイルス感染症の位置づけは、これまで、「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」から「5類感染症」に移行、ようやく普段の日常が戻り、長く苦しめられたこの騒動も一応の区切りをみました。
当クラブでも、この3年間様々な制限・制約のある中でのロータリー活動を強いられることとなりました。コロナ発生当初から例会の長期休会を余儀なくされ、例会再開後も本来は会員同士の語らいの場であるはずの例会場の机は向かい合わずに横並びで、会員同士の席はアクリル板で仕切られ、全員マスク着用で昼食は黙食、せっかくの卓話もアクリル板越しで聞き、感染者数が増えればまた休会、こんな異常な光景が長く続きました。少し感染が落ち着きを見せ始めた昨年、創立45周年記念式典を行い、今年5月の制限解除後は久しぶりの親睦旅行も開催され、ようやくこのクラブにも日常が戻り始めました。しかしながらこの間にクラブは会員の減少や高齢化だけでない、何か活気というか元気もなくしてしまったように感じてしまいます。
本来、この3年間の3名の会長の顔ぶれを見ると、いずれも当クラブ内では若く、才気とバイタリティーに溢れた面々で、有田南ロータリークラブ史上でも屈指の活発で盛り上がる3年間になるだろうと確信しておりました。にもかかわらず、この『コロナ』という予期せぬ敵を前に腕を振るい切ることができず、感染者数と世間の顔色を伺うことに終始せざるを得なかったことは一会員としても歯がゆく、クラブとしても痛恨の極みだったのではないかと私個人は思っています。
そして迎えた今年度、新たな疫病や大きな災害がない限りはいつも通りの制約なきロータリー活動ができ、クラブにとってある意味「失われた3年」を取り戻すべく足掛かりにしたい大事な1年に、よりにもよって一番若年の私にバトンが回ってきました。
若輩でロータリアンとしても未熟な私がクラブのためにできる事は何だろうと自問自答しながら、3月のPETSに参加しました。その場で谷宗光ガバナーは基本方針として『思いやりあふれる!明るく!元気なロータリーへ!』のスローガンを掲げられました。飾り気のないシンプルな言葉ですが今のロータリーには一番大事な事だと素直に共感できました。谷ガバナーは壇上で力強く幾度も「明るく!」「元気に!」を連呼しておられました。そのお話を拝聴して勉強させて頂いたのはもちろんですが、何より会長をするにあたって知識よりも経験よりも明るく元気にやってくれればいいんだよと言ってもらった気がして大いに勇気づけられました。これを忘れず一年間やっていきたいと思います。

さて、今年度の活動方針ですが、大きくは2つあります。
まず、1つは何をおいても会員の増強です。これはもう数年前から今後もずっとついて回る問題です。クラブが拠点を置く湯浅町も急激な人口減少に悩まされています。人口が減るということは当たり前ですが、会員候補の分母も減るということで、この先の会員確保は年ごとに難しくなります。まずは、高齢のためクラブを勇退された方々のジュニアへのお声がけ、そしてゲストでお招きした卓話者へのアピールを積極的におこなっていくことはもちろん、平均寿命が大きく伸びた昨今、若い世代にこだわらず60代・70代の方も積極的に勧誘しなければと考えています。
2つ目はニコニコ箱への積極的な献金の促進です。田井会長(当時)の肝いりで本来の趣旨に沿った形に戻したニコニコ箱、「日常の小さな幸せ」を探してそれをクラブに還元しようというその心意気は私も大いに賛同しておりますが、残念ながら現実問題として献金額は減少しています。日常生活でそうそう楽しいことはない、それは私もわかります。しかしながら幸せを探すという作業は自身の人生を豊かにし、ひいては明るいクラブにも直結すると思います。今年は一つ、蟻の目を持って些細でも小さくても幸せを探していただき積極的な献金に繋げていただきますようお願い致します。

最後に、「明るく!」「元気に!」言ってはみたものの、私自身は本来元気で明るい性格とは言えません。今の率直な気持ちは「どうしよう・・・」です。しかしこのタイミングで一番若い自分に順番が回ってきたのも何かの巡りあわせと考え、自分なりの『明るく楽しいロータリー』を実践していければなと思います。会員の皆さん、小さなやらかしには目を瞑っていただきまして、一年間宜しくお願い申し上げます。



有田南ロータリークラブ

会長 中 知哉